2019年11月07日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載第2章始まる!その二 悲しみと苦しみ(36)

その二 悲しみと苦しみ(36)
 

四月初頭、入学式。この日は新二・三年生も登校した。新学年はクラス替えになり、剣道部員は分散された。当然、新クラスには知った顔が皆無である。『真実子と同クラス』と言う甘い目論見は、又もや泡と消えてしまったのだ。教室は、木造校舎の二階となった。僅か二階だが、随分と見晴らしが良くなった。桜の芽も膨らみ、頬をなでる風も温(ぬる)んできた早春であった。
 その頃、ある男の存在に気が付いていた。その男は、海山道場での練習を時折、入口で見ているのだった。この学校では見覚えのない顔である。歳の頃は三十四・五才位だろうか。背丈はあまり高くはないが、体付きはガッチリとしていた。腕組みをしながら、時々首を小さく縦に振ったり横に振ったりしている。そして気が付くと、姿はいつの間にか消えているのだった。
「あれはいったい、誰なんやろか? 」
「こんど来た、新任の先生とちゃうやろか」
「そうか。そうかも知れへんなあ」
「アホやなあ。新任やったら、もっと若いで」
「あ、そうか・・・。ほな、なんやろ。剣道に興味があるんかなあ」
考えてみたけれど、その結果は新学期まで待たねばならなかった。


  

つづく


明日11/8も泉工文化祭
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posted by はくすい at 16:04| Comment(0) | 虹のかなた
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