2019年04月09日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載第2章始まる!その二 悲しみと苦しみ(9)

その二 悲しみと苦しみ(9)
 

 帰り道、真実子に食事の礼を言った。苅川が居たが、かまわなかった。
「この間(あいだ)はおおきにな。ホンマに美味しかったわ。草山さんもお母さんも料理が上手やねんなあ」
「ホント? そない言うて貰えたら嬉しいわ。来て頂いた甲斐があると言うもんやわ」
切れ長の瞳を細め、彼女は微笑んだ。いぶかる苅川に、即説明した。隣同士なのだから、何の不思議があろうか。
「そら良かったなあ。オレの家にも来て欲しいなあ・・・。そうや! 今度の新人戦な、絶対に一勝しょうや! それで、一勝出来たら、オレの家でパーッとやろうや。実はオレ、来月、誕生日やねん。二月十一日、紀元節の日ィや。どうや、ええ話やろ! 」
苅川の発案に顔を見合わせた。
「そうね。パーッとやりましょうよ。その代り、新人戦の一回戦がカギになるわねえ。なんとしてでも、勝たなアカンのよ」
手振りを交えて真実子が言った。
「よし、そうしよう。一回戦に勝って、苅川君の家へ押し掛けよう」
話は決まったが、本当に勝てるだろうか。大きな疑問だ。こんな弱い海山チームに負ける、不幸な選手はどこの学校であろう。
 あくる日、安田先生と新人戦の相談をした。学年別の二階級に参加したいが、無理である。選手が足りないのだ。合同で一チームとし、二年生の部に出場するのだ。編成は、先鋒・苅川、次鋒・草山、中堅・山ノ上、副将・浦山、大将・石坂と言う布陣である。
 
 暫くの後、朗報(と言えるかどうか)が持たらされた。それは、新人大会の会場が二箇所に分散されたのだ。予定の体育館が、都合で使用不可になった。また、参加チームが多すぎた(一校で二階級参加するのが多い)ので、やむなく県下を南北のブロックに分けたのだ。その結果、出島商業とは別のブロックになった。各ブロックで、ベスト八を決める。そして日を改めて、双方を加えた十六チームで決勝戦を行うという、異例の大会となったのだ。つまり、ベスト八まで勝ち上がらなければ、出島商業とは絶対に出合わないのだ。奈々子にも会わないで済むのだ。
『安心して試合が出来るぞ』気が楽になった。だからと言って、一回戦が勝てるというものではないのだが・・・。

  

つづく



今はまっている沖縄料理店のランチですわーい(嬉しい顔)
IMG_2529[1].JPG



単品でソーキソバも追加!
IMG_2535[1].JPG

posted by はくすい at 14:57| Comment(0) | 虹のかなた
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: