2022年02月01日

抜けていました! M35宮坂正春氏遺作 青春小説『虹のかなたへ』連載第2章 その二 悲しみと苦しみ(102)-1

その二 悲しみと苦しみ(102)の続き(102)-1
 
三日目の夜。就寝前に尿意を覚えたので便所へ行った。暗い電球の下で用を足しながら、自分が排泄しているものを見るともなしに見た。そして異常に気付き、目を瞠(みは)って驚いた。
 なんと! 今、放出している尿が、真っ黒に見えているではないか! 普段は少し黄色か無色なのに真っ黒とは、これはいったいナンなのだ! 胸がドキンと音を立てた。もしかして、何か飛んでもない病気に掛ったのではないのか。今までに体験したことがないだけに、とても不安になった。道場に帰ると、すぐに不田と井仲に尋ねてみた。この二人も自分と同様なのかも知れないのだ。
「そうやねん、オレのも真っ黒に見えたで。なんでやねんやろな。オレの体がもうアカンのと違うか。何時くたばるか、分からへんで」
「そやけどやな、病気やったら熱が出たり、体が動かんようになるはずやけど、そんなこともないし、ナンや分からへん・・・。どうなるんやろ」
二人は口を揃えて不安を訴えた。だが、その不安を取り除く材料はなにもなかった。自分も不安なのである。
「そうやなあ・・・。明日(あした)、先生に聞いてみようか・・・」
男どもは一様に首を傾げた。その原因は不明のままである。
 男がこの有様だから、女子たちはどうなのか、と心配した。だが、真実子や恵は平気な顔でいるので、自分たちの異変を話すことが出来なかった。体力というものは、男より女の方が、本当は強いのかもしれない。


  

つづく  すみません<(_ _)>あと2話抜けているのあります。


最近フルーツ大福作りにハマってます^^
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posted by はくすい at 13:41| Comment(0) | 虹のかなた