2019年10月29日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載第2章始まる!その二 悲しみと苦しみ(33)

その二 悲しみと苦しみ(33)
 

奈々子は返事を楽しみに待っていた。一日に何度も郵便受けを見に行き、封書が入るのを心をときめかせながら待っていたのだ。
 手紙を出して五日後の夕方、ついに白い封書を配達員から受け取った。差出人を確認すると心が躍った。封書を抱きしめ、胸を高鳴らせて自分の部屋へ入った。封筒を切るのももどかしく、文面をむさぼり読んだ。突然、冷水を浴びせかけられたようになった。顔からスーッと血の気が引いた。
『なんで、なんでこんなことに・・・。二郎さんがこんなに苦労しているやなんて、知らなかった・・・。アタシは、なんて馬鹿なんやろう・・・』
彼女はこみ上げる悲しさに、ハラハラと涙が溢れた。そしてジッと考えた。
『このままにしておいてはいけない』だが何を、どうすれば良いのだろう。
「奈々子、どないしたん? なにかあったんかいの。もう晩やで」
襖を開けて母親の節子が入ってきた。暗くなったのに、電灯も点けずにいる娘を不審に思ったのだ。
「なあ、どないしたんや? 」
尋ねた声に、やっと気付いて顔を見た。そして手紙を黙って差し出した。
「オヤッ、ウチが読んでもええのかい? 」
節子は便箋を受け取り、片手で電灯のスイッチを入れた。
 明るくなった電灯の下で、手紙に目を通した節子はハッと息を呑んだ。文面は短いが、内容は強烈だった。
「この手紙は、お前が言うてた海山高校のキャプテンかい? 大変な苦労をしとるようやな・・・。可哀想に」
節子は娘から、二郎とのいきさつを聞いていたのだ。
「そうよ、映画に連れてって貰った山ノ上さんよ。お母さん、アタシ、どうしたらええの? このまま放っとかれへん・・・」
奈々子は必死であった。彼の為に何かしてやりたい、何かの役に立ちたい、そう思っているのだ。
 その悲しい表情を見ながら節子はジッと考えた。勝ち気でお転婆な娘が、これ程迄に心を痛めるのは、余程、相手を慕っているのだろう。
「そうやなあ。お前に出来ることはナンにもないで。あるとしたら、相手のことを、このままソッとしておくことやな・・・。お前と、この子とは兄弟でも親戚でもないんや、許嫁(いいなずけ)でもないやろ? この手紙を見たら、この子は自信を持って一人で居るんやないか。『何の不自由もない』と書いてあるで。しっかりとした、ええ男の子やで。そやから、お前は黙って見てておやり。それが一番ええと、ウチは思うけどなあ」
「そんなんイヤや・・・。アタシ、今からでも山ノ上さんのところへ行く!
そやないと、二郎さんがあんまりにも可哀想やんか。そんなん、アタシ、ゼッタイにイヤや! 」
涙をポロポロとこぼし、顔を伏せながら、奈々子は訴えた。
「アホなこと言うたらあかん。この子を温かく見守ってやりなさい。それで、手紙を書いて励ましてやったらええのや。分かったな、奈々子・・・」
母親の節子は、大人の分別でモノを言った。朴訥な喋り方だが、その言葉の裏には大きな愛情が溢れていた。
 奈々子はさめざめと泣いた。二郎の苦労が余程のショックだったのだ。節子は、もっと泣けば良いと思った。泣いて涙を出せばよいのだ。そして涙を出し尽くせば、また新たな考えも湧いてくるだろう。それが娘の親としての、思いやりだと思っているのである。
「分かったわ、お母さん。アタシ、手紙を書く・・・。書いて二郎さんを励ましてあげる・・・」
「うん、分かったで。お前はええ娘(こ)や・・・」
節子はやさしく肩を抱き、背中を撫でた。いつしか大人になっている、そんな娘が、愛おしくてならなかった。
 彼女はふと、草山真実子を思い出した。こんな時に二郎の横に居るだろう真実子が、羨ましく感じられた。得意そうな表情をして、自分を見下げるような素振りの、そんな顔が脳裏に浮かんだ。
『くやしい・・・。負けるもんか! アタシは、二郎さんを温かく見守ってあげるんや。あの娘(こ)なんかに、負けてたまるもんか! 』そう思うと、また一滴の涙が落ちた。

  

つづく



明石城能舞台で踊りました❣(ハロウィンの仮装ではありません^^)
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posted by はくすい at 14:30| Comment(0) | 虹のかなた

気まま旅『 その壱七 和歌山 』M38泉谷忠成

『 その壱七 和歌山 』 



数年前、姉から紀の川に連れて行ってほしいと催促、それから桃のシーズンになると毎年のように、桃源郷あら川の桃の買い出しに行きました。当初気にもせずドライブのつもりで気軽に行きました。
目的はあら川の桃の正規品外を特別価格で買う事でした。
昨年は正規品を一箱買ってくれれば、そこにある当たりなどの桃を好きなだけ持って帰っていいよ、との事。あつかましく、ありがとうの一言。たっぷりと楽しみました。
冷凍保存に、そしてジュースに、毎日楽しみました。
今年も桃のシーズン、今年は少し上品な買い物にしょうと思っていたのですが、台風の影響で多大な被害を受け、販売出来なくなったそうです。
残念と言おうか、申し訳ない気持ちでいっぱいです。一日も早い復興回復、販売再開を願っています。



和歌山.jpg
posted by はくすい at 14:03| Comment(0) | 旅だより

硬式野球部 大阪府工業大会(秋)決勝戦試合

大阪府工業高校大会決勝戦が来週11/3(日)13時〜藤井寺工科高校グランドにてプレイ野球です。

決勝の相手は城東工科高校どんっ(衝撃)春に続き秋も優勝出来るかexclamation&questionは皆さんの声援にかかっています。

応援宜しくお願いいたします
手(グー)


posted by はくすい at 13:19| Comment(0) | 泉尾工業クラブ活動報告

11/3(日)硬式テニス部OG・OB参加者

次の日曜日、3日は硬式テニス部OG・OBです。
台風や秋雨前線の影響で雨の多い日が続きますが、3日日曜は秋空のお天気晴れになりそうです(今のところ)

只今の参加者は15名exclamation
上本先生・西本先生も参加されますぴかぴか(新しい)

ニュ−スでは大阪市立校と府立校が3年後に統合され、定員割れの学校は無くなります。
学校での同窓会も後、何回出来るかわかりませんもうやだ〜(悲しい顔)
まだ、申し込みされてない方は大阪白水会事務局まで

申込み先→大阪白水会事務局 06(6552)2221(火・木10〜16時)
o-saka_hakusuikai@outlook.com




日時:令和元年11月3日(日)祝日マーク
一次会右矢印1 11:00〜15:00
     場所:泉尾工業高校テニスコート(大正高校前に4面)
     会費:参加費500円(ボール代等)
        弁当代500円(要る場合)
       ※見学の場合は会費は無しです。


二次会右矢印1 行きたいメンバーで、千島『ワンカルビ』か大正橋『すやま』

【1次会参加予定メンバー】
上本先生・西本先生
M54神崎、E54中川
C57嶺
M58山本
E59国本
C60長谷川
E62山岡
A63甲斐、洞口
長谷川の娘+友達2名
以上15人です。
posted by はくすい at 13:06| Comment(0) | 同窓会のお知らせ