2019年06月25日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載第2章始まる!その二 悲しみと苦しみ(24)

その二 悲しみと苦しみ(24)
 

放課後の海山道場で
「草山さん、今朝はゴメンな。伯父さん家(ち)へ行ってたんで遅れたんや」
大き目の声で言った。廻りの者に聞こえるようにしたのだ。
「良いのよ。アタシは聞いていたわよ。大阪へ行きはったっんでしょ? 」
「草山さん、その話、聞いてたん? 」
恵が問いかけた。
「うん、そうよ。大阪へ行って来ますから、宜しくって」
「ふうん。ねえ草山さん、山ノ上さんったらねえ『女子生徒に会うてたから遅れた』って言うたのよ。アタシ、びっくりしたんよ」
「あら、そう。その女子生徒って、恵美子ちゃんでしょ。すぐに分かるわよ」
「なんや、草山さん、知ってたんか。つまらんなあ・・・」
苅川はさも残念そうだった。もっと驚いて欲しいかったのに、スンナリと躬(かわ)されたので拍子抜けになった。その時、不田と井仲がそばへよって来た。
「なんや、どないしたんや? なにかあったんか。オレらにも教えてえな」
「あのな、実はな・・・」
苅川が今朝の顛末を説明した。女子生徒に及んだ時、不田と井仲は突然、ゲラゲラと笑い出した。
「ワッハッハッハ。こらあ面白い。山ノ上の一本勝ちやな。アンタらなあ、もっと人間をよう見なアカンでェ。この男はそんなんと違うで! 」
不田は言った。人を見る目を持っていると言う口振りであった。
「それより、試験の方がずっと大事でしょ。アタシも頑張らなくっちゃ」
美紀が口を挟んだ。今度の試験を突破しなければ、それぞれが希望している大学への道が困難になるかも知れないのだ。
「もう帰ろうや。明日(あした)からの試験を頑張って良い成績を取ろうぜ」
その言葉に全員が頷いた。

  

つづく

何列車か?分かるかな〜
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posted by はくすい at 15:49| Comment(0) | 虹のかなた

2019年06月20日

気まま旅『 その壱弐 愛知県 その二 』M38泉谷忠成

その壱弐 愛知県 その二 』 



仕事の関係で名古屋市内はよく行きましたが、名古屋港ベイエリアにはほとんど行く機会がありませんでした。
横浜ベイエリア・福岡西新ベイエリア・神戸三宮ベイエリアと、最近とみに開発が進み、市民が憩えるアメニティの街づくりが進んでいることもあって、あまり知る事のなかった名古屋港ベイエリアにも足を運ぶことになりました。
想像した通り、名古屋港水族館・ガーデンふ頭臨港緑園・更には南極観測船「ふじ」、と多彩なアメニティが拡がり、南極観測船ふじでは船内をゆっくりと見学でき、十分楽しませてくれました。

いよいよ大阪も万博を控え、大阪港周辺も一大エンターテイメント・アメニティな街づくりが展開されるでしょう!胸がわくわく楽しみですね!




名古屋港・南極観測船「ふじ」(ちなみに横浜は帆船「日本丸」です。
三宮は帆船で港内一周できます)
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posted by はくすい at 15:35| Comment(0) | 旅だより

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載第2章始まる!その二 悲しみと苦しみ(23)

その二 悲しみと苦しみ(23)
 

「ゴメンゴメン。今の話、女子生徒と言うのは、ボクの従兄妹(いとこ)の中学生のことや。ボクの母親のお兄さんの娘や。そやから本当の従兄妹やねん。用事があったから、その店へ寄ってただけなんや。ホンマの話やで! 」
必死に釈明した。二人はその話を聞いて、唖然とした表情となった。そしてお互いに顔を見合わせた。
『今の話は本当やろうか』半信半疑になった。机の中から弁当の包みを取り出し、付け加えるように言った。
「ホラ、この風呂敷。いつものんと違うやろ。お母はんが、昨日から大阪へ行ってるんや。それで、伯父さんの家でお世話になったんや。このお弁当も伯母さんが作ってくれはったんやで・・・」
彼が示した包みは、確かにいつものとは違っていた。そこまで証拠を出されると、二人は信じない訳にはいかなかった。
「そ、そうなんか。そやけど、嘘を言わんといてな。オレは信じ易い質(たち)なんや。中学生やねんな。高校生やったら女子学生とか、女子高生と言うもんなあ。言葉に引っ掛かったわ」
「アタシ、びっくりしたわよ。長岡と言う女の子と会うてたと思ったんよ。これからそんなウソ、言わんといてね。お願いよ! 」
「ゴメン。ホンマにゴメン」
二人は安堵して笑顔に戻った。苅川が肩をポンと手で打った。それが一件落着の会図であった。この二人が、自分を信頼してくれている事実を知って嬉しかった。だが今、恵の口から『長岡』の名前が出た。なぜだろう。

 
  

つづく

何とも言えない雲の色
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posted by はくすい at 15:29| Comment(0) | 虹のかなた