2019年03月26日

気まま旅『 その壱五 神奈川県 二の二 』M38泉谷忠成

『神奈川県 二の二』


神奈川県湘南海岸、江の島よく映像で出てきますね!若者のサーフィンがすぐさま思い浮かべられますが、私には当然ムリムリ、出来ないと言うよりした事がありません。
息子は真似事だけしているみたいです。若いっていいですね。生まれ変わっての楽しみにしましょう(笑)。

車で三浦半島を一周してきました。電車では終点逗子まで。なんでも当初葉山までの計画だったそうですが、葉山は御用邸のある場所。環境を守るために逗子止まりにしたそうです。
お住まいの方は少々不便でも環境に守られて、いいんじゃないですか。車は葉山に向かうと、山手に今まで遭遇したことのない超ビッグな自然の中の屋敷を眺めながら海岸通り葉山の御用邸迄、御用邸を散策し、海岸で岩をまたいでの浜遊び、更に天神島へ、湘南海岸とは違って岩場が多く、変化が楽しめます。
更に車はまぐろで有名な三崎港まで、当然まぐろ丼(めばちマグロ)本マグロを期待していたのですが、どのお店もめばちマグロだったように思います。

ぐるっと一周して横須賀を経由し鎌倉へ、更に一泊し車を置いて市内散策、歴史を十分堪能した所で、すっかり歩き疲れたと思い万歩計を見ると、なんと11000歩になっていました。



湘南海岸から見る富士山  
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三浦半島葉山
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M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載第2章始まる!その二 悲しみと苦しみ(5)

その二 悲しみと苦しみ(5)
 

そうこうしている内に、真実子が料理を並べ始めた。
「ウチの味付けは広島風やから、お口に合わないかも知れへんねえ」
チラリと二郎の顔を覗き込みながら言った。だけど先程から母親の姿が見えない。何処かへ行ったのだろう。
「大丈夫やで。ボクは好き嫌いがないんで、なんでも食べるよ」
いそいそと、用意をしている彼女に言った。
「そうお。それやったら嬉しいわ・・・」
大きな机の上に所狭しと並べた料理は、祖父の家よりも立派に見えた。
「スゴイ料理やねえ。これ全部、家で作ったん? 」
「ええ、そうよ。アタシとお母さんとで作ったのよ。上手でしょ」
「ふうん、すごいなあ・・・」
彼女は料理が得意なのだ。
 やがて母親が姿を現わした。やはり、出掛けていたようだ。
「用意は出来たようね。でも、もう少し待ってね」
「おお、ええぞ。その代わり、お銚子を頼むよ。早うしてくれ」
「ハイハイ、分かりましたよ」
『なに? 待つ? 待つって、誰を待つのやろうか』僅かな疑問が湧いた。
 母親がお銚子を持って来ると、父親は自分の盃に注いだ。そして彼の盃にも注いで、飲むように勧めた。
「いえ、ボクは学生なんやし、飲めないんです」
「まあ、今日は正月や。お祝いやからええやろ。一杯だけ、いこ」
乾杯するように盃を差し出した。助けを求めて真実子に目を向けた。すると『どうぞ。お飲みなさい』と、目で合図をした。少々迷ったが父親に悪いので、盃を挙げて軽く礼をした。口に付けようとした時、玄関の方で
「ごめんください」
と声がした。それは聞き覚えのある声であった。母の里子であるようだ。
「いらっしゃい。さあどうぞ」
母親が案内に出た。
「失礼します。呼んで頂いてすんません」
部屋に入ってきたのは、二郎の両親であった。
「せっかく二郎さんに来て頂いたのやから、ぜひにって、お呼びしたのよ。お隣同士なんやし、たまには良いでしょ」
真実子の母親の、温かい心遣いである。
「初めまして、山ノ上です。宜しくお願いします。突然にご招待を頂きましてありがとう御座います。何も用意をしてないんですけど、これをどうぞ納めてください。大阪から持ってきた、灘の生一本です」
武二郎は、白い紙で包んだ一升瓶を差し出した。
「あ、どうも・・・。初めまして草山です。もう固い挨拶は抜きにしましょうや。さあ、どうぞこちらへ」
父親は席を勧めた。それから、和やかに会食が始まった。
「草山さんは、広島の尾道でしたね。私は大阪なんですよ」
「お互い、遠い処から来ましたなあ。でもここは住み易いですよ。モノも結構安いですからね」
「造船っていうお仕事も、造物(もの)が大きいだけに、苦労も大きいでしょうね。体力が勝負かも知ませんなあ・・・」
「いやいや。機械化が進んでいますし、見た程の苦労はありませんよ」
「そうですか。お嬢さん、良い娘さんですなあ、べっぴんで可愛いし・・・」
「ウチの娘(こ)より二郎君の方がよっぽど宜しいで。ええ息子さんや」
真実子の父親は先程の事を思い出して、一人でクスッと笑った。
「ウチは、男ばかり二人なんですよ。一人は東京に住んでいるんですわ」
「よろしいなあ・・・。儂んとこは女二人なんですよ。上はもう嫁いで、孫が一人いますけどねえ」
「へえっ! お孫さんでっか、宜しいですなあ・・・。まァ、お互いに将来が楽しみですわ」
二人父、武二郎と修は初対面にもかかわらず、ウマが合った様子で、話が良く弾んだ。そして、お酒もこの上なく良く進んでいた。
二郎は真実子を相手にして、剣道の話に花が咲いていた。
「試合には勝たなければ駄目よ。負けたらナンにもならないわ」
「必ず、先に打って行くのよ。攻撃は最大の防御なのよ」
「人間が相手なのよ。どんなに強い相手でも、必ず弱点がある筈なんやわ。それを先に見つけたらええのんよ」
大人しそうな彼女の口から、気の強さを示す言葉がポンポンと飛び出してきた。そんな強気の真実子がとても好きになった。そして、こんな女子部員を誇りに思えるのだった。
 真実子の父・修から勧められるままに飲んだ十杯ほどのお酒が廻ってきたのか、見える物がゆらゆらとして来た。そしてなにか、フワフワと浮いた良い気分になって来たのだ。正面の真実子が妙に柔らかくふんわりとして、とても美人に見えている。何故なのだろうか・・・。
 
  

つづく


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posted by はくすい at 15:04| Comment(0) | 虹のかなた