2018年08月14日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載開始!その一 異郷の空へ(59)

その一 異郷の空へ(59)
 
 
「えらいこっちゃなあ。オイ不田、これからどないするんや、剣道、やるんか? 」
下校の途中、井仲は不田に声を掛けた。
「ちくしょう・・・。旨いこと載せられてしもうたわ。アイツ、思ったよりも頭がええねんなあ」
体の節々が痛むのか、あちこちと手でさすっている。
「ホンマや。ワイの出る幕はなかったし、気ィが付いたら、完全にアイツのペースに嵌(は)められてしもうたんや」
「その通りや。しょうがないから明日(あした)からアイツのクラブに入ったような格好をするんや。ほんならアイツも安心して、ワイらに気ィを許すやろ。その内チャンスを見つけてやな、ひっくり返したったらええねんや」
「そうか! なるほど、そういう手ェがあったんか」
悪童はどこまで行っても、悪童でしかないのだろうか。
「そやけど、アイツ、あの道場を一人で創ったとか言うとったな」
「うん、そうや。あそこは昔の雨天体操場とか言うとったけど、ほんまはきたなーい倉庫やったんやで」
「ふうん、そうなんか。けど、さっき見たら,きれいやったで。アイツ、ほんまに一人でやったんかいな。もし、それがほんまやったら、アイツは大した奴やで。お前、そうは思えへんか? 」
「ほんまや、その通りや。普通の人間やったら、あそこまで出来る訳があれへん。そんな気ィも起こらへんし、もしやったとしてもやな、イヤになって途中で放り投げてしまうで」
「もし、ワイらやったら、どうする? 」
「アホッ! そんなもん、初めっから手ェなんか付けるかい! そんな気ィも無いわ。けど、ほんまにそれをやったんなら、アイツは大した男やで、そう思うわ・・・。なあ井仲、ほんまはアイツ、ワイらが考えてるより、ずっとええ奴かも知れへんな」
「そうやな、ワイもそう思う。あそこで汗を流してもええんかも知れん。ワイ、なんか、その気になって来たで」
「ホンマか。そんなら、オレもやってみようかなぁ。実はなァ、さっきみたいに、いっぱい汗をかいたら、なんかこう、気分がスッキリとしたんや」
話の方向が、最初とは随分変わって来た。駅に近付くに従って、最初の、あの悔しさはどこへやら、二人の顔は不思議にも晴れ晴れとなり、足取りも軽くなってきたのであった。
 その頃、池上恵と箒掃除をしていた。そこへ、二年生の男子二人が来た。二人とも入部希望である。中学時代に剣道をやっていて、現在、一級を持っていると言った。大学への受験前に、せめて初段だけでも取りたいので、ぜひ参加したいとの申し出であった。先程の、不田とのやり取りを道場の入口で見ていたそうだ。ありがたく二人の上級生、浦山実と石坂勇二を部員として迎え入れたのであった。


  

つづく


四天王寺さんは海外の方にも人気です
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posted by はくすい at 12:10| Comment(0) | 虹のかなた

第3回 凛々会 C42田伏 勉 氏 出展

お盆に入り蝉の鳴き声も途絶えてきましたが、まだまだ猛暑が続き昨日自転車で徘徊していた管理人は軽い熱中症に・・・(今年は4回目です)

芸術の秋には、まだ少し早いですが、涼しい百貨店内でいち早く芸術の秋を感じてみるのは如何でしょうか?

我が窯業科が誇るC42田伏勉氏出展の凛々会のお知らせです。
8/12(水)〜28(金)10〜20時
あべのハルカス近鉄本店 タワー館 11階 美術画廊


お時間のある方は、是非足を運んでください!


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管理人も12日に芸術を体現してきましたわーい(嬉しい顔)(阪急チャリティダンスフェステバル)
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posted by はくすい at 12:03| Comment(0) | お知らせ