2018年07月03日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載開始!その一 異郷の空へ㊽

その一 異郷の空へ㊽
 

夜の自由時間になると、同じ一年生部員たちとの会話が楽しみであった。初段を持っている山渕・坂寺・角山の三人は、顧問の古山先生から乞われて入学したと言った。そう、加藤から聞いたあの話である。
 この三人は、二郎の腕をかなりなもの、と踏んでいた。勿論、直接に対戦した訳ではないが、三年生との激しい稽古を見たので、そう思ったのだ。
「アンタが剣道部を創ったら、強いチームになるやろなあ。県大会で試合して見たいと思うで。そやけど、こっちは三人やし、アンタは一人やから、どうしてもウチの勝ちやな」
山渕が自信気に言った。
「そんなん、分からへんで。ボクのチームはこれからや。強い者(もん)を、ようさん集めるんや。今年はアカンやろけど、来年はええ線行くと思うよ」
素直に言った。少し生意気だが、この場合、仕方あるまいと思った。
「山ノ上君、十月に昇段審査があるで。ワイらは二段を受けるんやけど、アンタはどうするん? 」
坂寺が問いかけた。当然、受験するつもりなのだ。
「うん、知ってるで。ボクも受けたいと思うてるんや。けど、それまでに練習出来るかどうか、分からへん」
「そうやで。受けとかなアカへんで。後で後悔せんようにせなアカンのや。三年生はもうすぐ引退やけど、みんな三段を受けると言うてはったからな。ワイは絶対、二段を貰うつもりや」
山渕が熱っぽく言った。
 この山渕健吾という男を気に入った。喋っていても気が楽だし、変に畏(かしこ)まった処も無い。腕前は同レベルだろう。これからも剣道の友として、長く付き合えれば良いな、と思った。学校は遠く離れていても合同稽古等で会えるだろうし、それに依り学生生活が楽しくなるだろう。フッと良い気分になりかけたその時、横から角山が口を挟んだ。
「ウチのマネージャーの女の子、可愛いやろ! そう思えへんか? アンタの学校には、あんなベッピンなんか居らへんやろ」
「うん。そうやなあ・・・」
言葉に詰まった。転校してから、まだ二ヶ月。だから今、海山高校には、どのような生徒たちが居るのかは、良くは知らないのだ。
 確かにマネージャーは可愛いかった。容姿は勿論、声までも可愛いのだ。同じクラスの池上恵と比べると『可愛さ』では格段の差があるのだ。
『池上さん、ゴメンなっ! 』心の中で謝った。
「あの娘(こ)はナ、長岡奈々子と言う名前なんや。名前まで可愛いやろ。クラブのマドンナやねんで。あの子がワイらを応援してくれるよって、精一杯頑張れるんや。ホンマやで」
角山の言葉に、確かにそうだと思った。
 

  

つづく




ストロベリーイチゴムーン
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posted by はくすい at 16:44| Comment(0) | 虹のかなた

硬式野球部夏の大会1回戦のお知らせ

7月に入り、今年初めての蝉の鳴き声を聞いた管理人です。
巷ではサッカーで寝不足の方が多いと思いますが、夏と言えばカキ氷、スイカ(昨日一玉買いました)海水浴に花火、そして甲子園です。

今年は記念すべき第100回大会!
7/15(日)南大阪大会2回戦で登美丘VS金剛の勝利校と11時10分(予定)対戦いたします。

常任理事長の稲地先生も顧問としてベンチに入られます。

応援宜しくお願い致します!



今年はこのメンバーで!
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posted by はくすい at 16:40| Comment(0) | 泉尾工業クラブ活動報告