2018年04月10日

新泉工生!

ここ2〜3日、春の嵐や寒の戻りで体調を崩された方もいらっしゃるかと思いますが、日中の日差し晴れは暖かく、自転車通勤で春の花々ハイビスカスを楽しんでいる管理人です。

昨日は我が母校の入学式でした。

校長先生、教頭先生、事務長も新たに赴任されましたぴかぴか(新しい)

今年は200名定員のところ残念バッド(下向き矢印)ながら141名の新入生で定員割れでした。

工業・商業科の人気がなく、普通科の方に偏ったそうです。

各科の新入生は下記の通りです。

F科・・・31名
C科・・・37名
A科・・・13名
M科・・・40名
E科・・・30名


春鯵を2匹頂いたのでお刺身に黄ハート
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2018年04月05日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載開始!その一 異郷の空へ㉗

その一 異郷の空へ㉗
 
「只今、お母はん。今、おじいちゃんのお店へ寄って来たんやで。それで、サザエをご馳走になったんや。ほんまにおいしかったわ」
「お帰り。それは良かったねえ」
母に報告をした。そして、借りてきた大工道具を見せながら、まだ母には話していなかった、元雨天体操場の建物や創部の事など、祖父に話した内容と同様のことを詳しく説明した。そして、
「明日から夏休みやけど、ボクは学校へ行くんや。、校長先生の許可を貰ってあるから、あの建物の掃除をしたいと思うてるんや。道場が出来るかどうか、それはまだ分からへんけど、ボクは絶対にやって見たいんや」
「そう・・・。それでホントに一人で頑張るのん? 」
「うん、ボク一人や。その方がええねん、気が楽やし・・・。それで、お願いがあるんや。お弁当を作って欲しいんや、ネコメシでもええねん。あっそうか、ネコメシやったら、ボクでも出来るなぁ」
顔は希望に輝いていた。気力が体中に満ちているのだ。里子はいつもとは違う、激しい迄の意気込みを見せているその顔に、ハッとするものを感じた。
『この子は今、真剣になっている。自分はこの子に、辛い生活を強いているのだ。父親の居ない家庭でヘタをすれば、素直な性格でもネジ曲がって、変な方向へ行くかも知れない。今、外に向かって大きく伸びて行こうとしている。だからこそ、ここで自分の協力が必要なのだ。今、協力してやらねば、飛んでもない事になるかも知れない・・・』そう直感した。
「良いわよ、ちゃんと作ってあげる。そのかわり、頑張るのよ」
ニッコリと微笑みながら、里子はやさしく答えた。
『今に見ていろ! あの古い建物を、みんながびっくりする程、良い道場にしてやるぞ! 』全身に血が漲っていくのを感じた。

  

つづく


夜桜です

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posted by はくすい at 13:52| Comment(0) | 虹のかなた

2018年04月03日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載開始!その一 異郷の空へ㉖

その一 異郷の空へ㉖
 
家に帰ると、一通の手紙が届いていた。それは、加本賢一からであった。手紙によると、先月の全国大会大阪府予選で、泉川高校チームは見事に優勝を果たし、二度目の全国大会出場が決まったとあった。また、将来に大きな目標が出来たのでとても嬉しい、とも書いてあった。
 この剣道部の無い海山高校でグズグスしている間にも、賢一たちは毎日多勢の仲間と共に稽古に励んでいるだろう。自分は彼らより技術的にも体力的にも、どんどんと離されて行ってしまうのだ。胸が熱くなり、たぎる血汐が逆流するかのように、頭がカーッとなってきた。
『悔しい・・・ 』そう思っても、今は何も出来ない。そんな自分がじれったかった。『早く、なんとかしなければ』焦ってみても仕方がない。イラだたしい気持ちで一杯になり、口の中がカラカラに乾いてきた。

 七月の初旬。一学期の期末考査が終った日。下校後、家へは帰らずに、鞄を持ったまま伯父の店へ行った。彼の胸の中には、ある大きな作戦が練られていた。店には、祖父が一人で店番をしていた。
「こんにちは。おじいちゃん」
「おお、二郎か。よう来たのう。ヨシヨシ、お茶でもいれようかいの」
「おいやんは、ないんか? 」(おじさんは居ないんですか?)
言葉にも、和歌山弁が混じってきたようだ。
「そや、ないよらよ。今、仕入れに行っとる。嫁は品物の配達やでな。恵美子もまだ学校から帰ってへんなァ。まァ上がれや」
「ハイ、すんません」
上がり框の横に、大きな幹をくり抜いて作った立派な火鉢がある。そこには一年中炭火が入っているのだった。祖父は立って台所へ行って、すぐに帰ってきた。見ると、両手に大きなサザエが四つ握られていた。そのサザエを、火鉢の火の回りの灰の中へに埋め込んだ。もう一度台所へ行くと、今度は酒の小瓶や箸などを持ってきた。そうするうちに、サザエがパックリと蓋を開けグツグツと煮えだした。祖父は、酒と醤油も少々たらし込んだ。
 真夏であるし、火の近くなので猛烈に暑い。額から玉のような汗が吹き出したが、かまわずに祖父に、先日の元雨天体操場などを詳しく話した。そして自分が、その場所を大掃除しようとしているのだと打ち明けた。
「ほうかい。そんなええ場所があったんかいのう。それやったらのい、ワイが手伝うてやってもええんやけど、そやったらお前のこだわりっちゅうもんに傷が付くやろ。ヨシヨシ、ワイがええ方法を考えてやろうかいのォ」
祖父は、酒をチビリチビリと飲みはじめ、焼けて湯気の出ているサザエを勧めてくれた。そのサザエは、さすがに美味であった。ここは、海がすぐ近くにある街だから、獲りたてなのであろう。
 しばらくして恵美子が帰って来た。三つ編みの髪と、白いセーラー服がとても可愛い。二郎が家に居るのを見つけると、とても喜んで
「お兄いやん! こんにちは! 」
と横にぴったりと寄ってきた。祖父は細い目を余計に細めた。
 祖父は納屋から大工道具を引っ張り出してきた。細い木の箱の中に、釘抜き、金槌、小型のノコギリ、ノミ、切り出しナイフ等を入れた。それらを纏めて古い背嚢(はいのう)に入れて持たせてくれた。因みにこの古い背嚢は、祖父が兵隊に行った時の物であるそうな。
「二郎や。これだけありゃあ、なんとかなるじゃろ。ちょっと重いけどのい、頑張ってやったらええ。きれいになったら、ワイにも見せてくれえの」
祖父は上機嫌であった。可愛い孫が、自分が好きな剣道の為に打ち込んでいる姿を見て、力を貸してやれる事が殊の外、嬉しかったのである。
「おおきに、おじいちゃん。ボク、頑張ってやるでェ。絶対に剣道部を創るんや! それからサザエ、ほんまにおいしかったわ。ほなボク、帰ります」
そう言って立ち上がった。今日は遊んで貰えないことを知った恵美子は、残念そうに唇を尖らせたけれど、すぐに笑顔に戻り手を振った。それは、いつもとは少し様子の違う、張切っている姿を見たからであった。

  

つづく




ブルームーン (青く無かったです!)
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posted by はくすい at 11:18| Comment(0) | 虹のかなた