2019年01月15日

気まま旅『東北地方 その四 岩手県続き』M38泉谷忠成

「市場調査」前号の続き  


前号で少し触れた市場調査について、新店大型店の出店・調査はさておき、個店について私見でお話ししたいと思います。
大型店内に出店が決まれば、当然品揃えを考えなければなりません。まずその地域の平均所得(これは資料を見ればすぐわかります)次に現地に赴き、その店舗にすぐに行かずに、その周辺地域を巡回(立派なお店を先に見てしまえば実情を把握できない)、高層マンションの多い地域は比較的年齢層が若いがローンに追われ高額品が厳しい。一軒家の多い地域はお金はあるが年配者が多い、川や橋など地理的条件(商圏の把握)など。又、商圏内のスーパーを回り、食品の品揃えをチェック。そこではまず入り口周辺の品揃え、果物・フラワー・ギフトから、或いは野菜・セール品からかによって店舗のグレード或いは地域のグレードが判断できます。鮮魚売り場では、丸もの(活魚)を扱っているか(回転の良いお店)、肉売り場は、牛肉(特に品揃えのアイテム・幅は?)・豚肉・鶏肉の順に、又、その逆になっていないか?惣菜の幅で客層が判断できる、などなど。更に衣料品の競合店など(こちらはさほど意識しなかった、十分勝てる意識があったので)むしろ地域の特性・客層を知る事に重きを置きました。そうした事などを踏まえた上で衣料品の品揃え計画を組み立てて行きました。
更に前号で地域によってカラーの微妙な違いに触れましたが、面白い実験をしましたので紹介したいと思います。東京の女性の髪の毛と大阪の女性の髪の毛を黒い紙の上に置いて比べると、微妙に色の違いがあることが明白にわかりました。当然のことかもしれませんが、大阪の女性の方の髪の毛が微妙に濃いことが分かります。売り場づくりにおいても東京では銀座マギーは冴えたカラー中心の品揃え・売り場造り。関西ではセリザワを見ればわかるようにボリューム感を持たせた幾分濃色の品揃えになっています。又、目線も少し高くなります。対照的だと思います。ただ最近の店舗を見ると、全国かなり接近してきており区分けして判断することが難しくなってきているのも事実です。
ある温泉で湯につかりながら、新聞記者の方と意気投合、その話の中で私達も各地方の人間性・気質を知らないと本当の記事は書けないとお話しされていたのを思い出しているところです。




セリザワ
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銀座マギー
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posted by はくすい at 16:04| Comment(0) | 後輩たちへ

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載開始!その一 異郷の空へ(91)

その一 異郷の空へ(91)
 

 苅川純夫が加わって意気が上がったのも束の間、十二月に入ると期末考査が始まった。考査前の一週間は全ての部活動が休止である。
「草山さん、試験の勉強はどうするの? ボクは図書室でするんやけど、一緒にやれへんかなあ」
朝のバスの中で尋ねてみた。クラスは違うけれど、図書室ならば誰にも遠慮せずに勉強出来るのだ。
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、アタシはお家(うち)でするのが好きなのよ。その方が落着くし、集中できるのよ」
密かな望みは、アッサリと断られてしまった。
「そうか。それやったら、暫くは一緒に帰られへんね」
「ごめんなさいね。アタシの方が先に帰ってしまうわね」
「そら、仕方ないよ。試験なんやから、みんな必死なんやで」
「そうよねえ・・・」
汽車の中で苅川に会ったが、挨拶を交わしただけである。学生で賑やかな車内も、この時期は静かであった。
 授業後、図書室へ行った。そして最終下校時まで勉強したのだ。校内に居れば、問題に困った時など、職員室で先生方に相談出来るので心丈夫であった。フグ男こと福井康男や、級長の板頭信一なども図書室組であった。
 家では夜遅くまで勉強に打ち込んだ。母もその辺は良く承知をしているので、夜食などの差し入れは、しっかりとしてくれたのである。
 机で勉学に没頭していたが、時折り出島商業への遠征が脳裏をかすめた。遠征(練習試合)での自分たちのチームの力が、相手にどれほど通じるものなのか。地区大会のように、惨敗となるのだろうか、と。
 そんな中、手紙が届いた。一目で分かる、長岡奈々子からであった。相変わらず流麗な文字である。
『拝啓、十二月に入って、随分と寒くなって参りました。山ノ上さん、お元気でいらっしゃいますか。風邪など引いていらっしゃいませんか? いつもお元気な貴男のことだから、私が心配する必要などないでしょうね。地区大会は残念でしたね。でも、参加することに意義があるのですよね。私のチームは、嬉しいことに優勝を飾りました。
 もう、期末試験の時期ですね。貴男の学校はいつから試験なのかしら。お互いに頑張りましょうね。一日でも早くこの試験が終わって欲しいな、と思っています。なぜって、ほら、合同練習があるでしょう? その日に貴男とお会いできるんですもの、とても楽しみにしているんです。
 あっ、そうだわ。九月に映画を見に連れって戴いた時のこと、まだお礼を言っていませんでしたね。あの時は、本当にありがとうございました。とても嬉しかったです。わざわざ遠い所を来て戴いたのに、今までなんのお礼も申していないなんて、なんて失礼な女なんだろうと、思ってらっしゃたのではありませんでしたか。本当にゴメンなさいね。
 今、私には、気になっていることがあるのです。それは・・・、貴男に申し上げても良いのかどうか、とても迷っているんですが、貴男のチームの女性で、草山さんという方です。とても気になっているんです。貴男の剣道の修行を邪魔するような人物ではないでしょうが、心の負担になるような気がしてならないのです。私の思い過ごしであれば、良いのですが・・・。
 つまらないことばかり書いて申し訳ありません。貴男の勉強の時間を無駄にしてはいけないのでペンを置きます。合同練習の日を、首を長くして待っています。さようなら。奈々子より』
顔がカーッと熱くなった。それに心臓がドキドキと鳴り始めた。
 奈々子はなにを言いたいのか。真実子を中傷しているのか、していないのか。どうして奈々子が、真美子を気にするのだろうか。心の負担とは、どんな意味なのだろう。試験目前の心境を、取り乱す魂胆だろうか。
『もう、考えるのはやめよう』心を決めた。そして、封筒を机の引き出しの奥へ押し込んだ。『真実子の方が、奈々子よりよっぽど美人だ』ブツブツと口の中でつぶやいた。もう午前二時を過ぎていた。


  

つづく

早春の味覚、菜の花のぬた
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posted by はくすい at 15:51| Comment(0) | 虹のかなた

2019年01月10日

気まま旅『東北地方 その参 岩手県続き』M38泉谷忠成



話は変わって仕事の話に戻りますが、東北各県は総じて売り上げの絶対額の厳しい地域と言っていいかもしれません。
カラーでは同じパステルカラーでもグレイッシュパステルの傾向があります。(日本列島、北と南では根本的に日照時間が違いすぎます、更に土着性も違います)参考に、関東は赤でいえば冴えたオレンジ系の赤、関西は血のような赤、鹿児島ではハイビスカスの花を連想するような赤、もちろん当時と今とは生活環境も変わっているので同様に対比できませんが?価格でなく絶対額に厳しいものがあったように思います。
各地方別にカラーの傾向に明らかに、違いがあることに対してモノづくりを進めていく私達には厳しいものがありました。
地方へ行けば地元の問屋さんが活躍することが良く分かります(全国チェーンの私達には禁句ですが)。
全国チェーンの課題ですね!自然との共有の中での地方創生・活性化!とても重要な事だと思います。
敢えて言えばヤングカジュアルは全国大きく変わらない、個性もトータルコーディネイトで差別化を表現。
カジュアル店の全国チェーンが伸びているのは、そういったところですね!
これからモノづくりを考えるにあたって、
@ファッショングレード(オートクチュール・プレタポルテ・シティ・タウンなど)

Aファッション感性(シンプルエレガンス・ソフトエレガンス・ロマンチック・エスニック・カントリー・マニッシュ・モダン・キュート・プリティ・ソフトカジュアル・ハードカジュアルなどなど)

Bシチュエーション別(パーティ・結婚式・お葬式・シテイ・タウン・スポーツ・ホームなど)

C素材・カラーなどお客様のイメージ・ターゲットを明確にしていく、更にトレンドを読み込んでいく、それがマーチャンダイジング(マーチャンダイザー)の一番重要な仕事だと思います。
そして市場調査・店舗(売り場)設計・品揃え計画・販売計画・演出計画へとつながっていきます。
今から考えればマーチャンダイザーとして何から何までよくやってきたものだ、と!?




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posted by はくすい at 14:37| Comment(0) | 旅だより