2018年08月16日

風の便り(S科)

白水会会員の諸先輩、後輩方、お盆はどのように過ごされましたか?
管理人は休まず、母校の仕事と某牛丼店のパートに勤しみ、お盆で帰省&お休みしている子牛達の食事を作り(お米も冷蔵庫も見る見る空っぽ)毎日10`の洗濯機を回していますあせあせ(飛び散る汗)
主婦兼大黒柱には盆休みは有りませ〜んもうやだ〜(悲しい顔)

会報発行作業も残すところ封緘作業&発送になりましたので、本当に久しぶり風の便りをおおくり致します。


S(繊維工業科)の方々です

S31三国 広・・・健康のため日々ウォーキングと2回/月程度の
      ゴルフ行ってます

S35小浦洋治・・・10月5日、久しくクラス会を大阪で開きま
      した。子供の頃は皆んな貧乏でしたが今は幸せです

S40池田未男・・・白水会報で辻村先生の近況に接し、在校時の
      頃を思い出します

S44寺西悦子・・・白水会の皆様方お世話になってます。
      昨年10/14(土)総会は秋祭りの為、欠席させて
      頂きます。門真市立上野口小学校で介助員5年目
      になります




風と一緒に帰っていきますネ
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posted by はくすい at 12:21| Comment(0) | 通信だより

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載開始!その一 異郷の空へ(60)

その一 異郷の空へ(60)
 

  あくる日の放課後、海山道場へ新部員が集まった。一年生では自分を初め池上恵・不田月男・井仲人也の四人。二年生は浦山実・石坂勇二の二人、合計六人。そして安田先生を顧問としての七人である。今、この時が、記念すべき道場開きとなったのである。
「みんな、聞いてくれ。みんなも知っている通り、山ノ上君の努力でこの道場が出来た。ここまでにするには、大変な苦労やったと思う。俺が顧問となるから、みんなで仲良く練習して欲しい。出来たら将来、試合で一勝ぐらいはして欲しいな。一番の経験者は山ノ上やから、彼から学んで欲しい。明日から宜しく頼むよ」
安田先生は全員を見回しながら、ゆっくりと話した。校庭から渡ってくる緑の風が額の汗に心地良く、清々しい気持ちになった。
 明日とは言わず、この日から練習が始まった。と言っても殆どが未経験だから、稽古着はおろか、竹刀も持っていないのだ。遠い昔の先輩の、古い竹刀を不田たちに持たせた。正座、座礼の仕方、竹刀の握り方、振り方。立ってからの摺り足、送り足、かけ声と、基本の原点からの出発であった。
 九月の中旬とは言え、南国の和歌山は未だ盛夏そのものだ。夕方になって練習が終る頃には、全員が汗と疲れとでクタクタになっていた。あの二人は一言も不満を言わず頑張っていた。汗を流す快感を感じ取ったのだろうか。
 数日後、気が付いた事があった。それは、不田と井仲は今迄『山ノ上』と呼び捨てにしていたが、今では『山ノ上君』と君付けで呼ぶようになっていた。少しは尊敬するようになったのだろうか。

 部屋に入ると、机の上に一通の封書が置いてあった。それは女性からのものだと分かる、淡いピンク色で細身の封筒である。女性から手紙を貰うなんて身に憶えがない。手に持って差出し人を見た。そこには『長岡奈々子』と書かれてあった。ハテ、誰なんだろう・・・。
 住所を見てやっと、出島商業剣道部のマネージャー、あの白い女の子だと分かった。だがいったい、どうして住所や名前を調べたのだろう。大きな疑問を持った。それにしても、整った美しい文字である。
『拝啓、九月も中旬となりましたが、少しも秋らしい感じがしませんね。山ノ上さん、お元気ですか。私のこと、憶えていらっしゃいますか? そう、私は出島商業高校剣道部のマネージャー、長岡奈々子です。
 私は山ノ上さんのこと、合宿に来られる前から存じていたんですよ。それは顧問の古山先生に、海山高校の安田先生からお電話を頂いた時、私が最初に電話口に出たんですもの。ですから、お名前も、何時、学校へ来て頂けるのかも知っていたし、その後、貴男のお母様から合宿の費用を送って頂いたので、住所もちゃんと分かったんですよ。
 でも、そんなことより、貴男お願いがあるのです。私は今、とても見たい映画があるんです。和歌山の有楽座に掛かってる『青春のオーケストラ』というフランスの映画です。とても素晴らしいって、みんなの評判なんです。切符を入れておきますので、ぜひ私を連れってくださいね。九月第四日曜のお昼すぎ、二時に東和歌山駅の改札口で待っています。ぜひお願いします。私を一人ぼっちにしないでね・・・。
 では当日、とても楽しみに待っています。さようなら』


  

つづく


母校の前の公園で島さるすべりが満開でした
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posted by はくすい at 11:33| Comment(0) | 虹のかなた

2018年08月14日

M35宮坂正春氏 執筆の青春小説『虹のかなたへ』連載開始!その一 異郷の空へ(59)

その一 異郷の空へ(59)
 
 
「えらいこっちゃなあ。オイ不田、これからどないするんや、剣道、やるんか? 」
下校の途中、井仲は不田に声を掛けた。
「ちくしょう・・・。旨いこと載せられてしもうたわ。アイツ、思ったよりも頭がええねんなあ」
体の節々が痛むのか、あちこちと手でさすっている。
「ホンマや。ワイの出る幕はなかったし、気ィが付いたら、完全にアイツのペースに嵌(は)められてしもうたんや」
「その通りや。しょうがないから明日(あした)からアイツのクラブに入ったような格好をするんや。ほんならアイツも安心して、ワイらに気ィを許すやろ。その内チャンスを見つけてやな、ひっくり返したったらええねんや」
「そうか! なるほど、そういう手ェがあったんか」
悪童はどこまで行っても、悪童でしかないのだろうか。
「そやけど、アイツ、あの道場を一人で創ったとか言うとったな」
「うん、そうや。あそこは昔の雨天体操場とか言うとったけど、ほんまはきたなーい倉庫やったんやで」
「ふうん、そうなんか。けど、さっき見たら,きれいやったで。アイツ、ほんまに一人でやったんかいな。もし、それがほんまやったら、アイツは大した奴やで。お前、そうは思えへんか? 」
「ほんまや、その通りや。普通の人間やったら、あそこまで出来る訳があれへん。そんな気ィも起こらへんし、もしやったとしてもやな、イヤになって途中で放り投げてしまうで」
「もし、ワイらやったら、どうする? 」
「アホッ! そんなもん、初めっから手ェなんか付けるかい! そんな気ィも無いわ。けど、ほんまにそれをやったんなら、アイツは大した男やで、そう思うわ・・・。なあ井仲、ほんまはアイツ、ワイらが考えてるより、ずっとええ奴かも知れへんな」
「そうやな、ワイもそう思う。あそこで汗を流してもええんかも知れん。ワイ、なんか、その気になって来たで」
「ホンマか。そんなら、オレもやってみようかなぁ。実はなァ、さっきみたいに、いっぱい汗をかいたら、なんかこう、気分がスッキリとしたんや」
話の方向が、最初とは随分変わって来た。駅に近付くに従って、最初の、あの悔しさはどこへやら、二人の顔は不思議にも晴れ晴れとなり、足取りも軽くなってきたのであった。
 その頃、池上恵と箒掃除をしていた。そこへ、二年生の男子二人が来た。二人とも入部希望である。中学時代に剣道をやっていて、現在、一級を持っていると言った。大学への受験前に、せめて初段だけでも取りたいので、ぜひ参加したいとの申し出であった。先程の、不田とのやり取りを道場の入口で見ていたそうだ。ありがたく二人の上級生、浦山実と石坂勇二を部員として迎え入れたのであった。


  

つづく


四天王寺さんは海外の方にも人気です
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posted by はくすい at 12:10| Comment(0) | 虹のかなた